chapt.4 夢と呼ぶにはそれはあまりにも鮮烈だった。音や感触、空気の匂い、私の渇き。あの防音室はまるで私たちのお城のようだったね。私の作った何てことない曲たちを、あなたはまとめて愛してくれた。おままごとみたいだった、なんて、口には出来ないけれど。名前で呼んでほしいと言われ続けた私が、勇気を振り絞って口にしたとき、あなたは一瞬目を丸くして、それから抱きしめんばかりの勢いで私の両手を握ってくれた。あなたの瞳には海があった。煌めいた白波のその奥に、深海は眠っていた。 PREV BACK NEXT